GBS、これはB群連鎖球菌といって、妊婦さんの約20%程度は膣内や肛門付近に保菌している常在菌である。

これを分娩時に保菌していると、約1%ぐらいの確率で、産道で児に感染して敗血症や髄膜炎を起こすので、2003年よりCDC(米国疾病管理センター)が世界に向けて、分娩中の母体への抗生物質(ペニシリン系)の点滴投与の指針を発表した。
つまり、1000人中200人ぐらいはこの菌を持っていて分娩でその200人中2人の子が出生後、数時間で調子が悪化するのである。

戦略としては、35-36週で外来でGBS培養をとる。膣壁外側と肛門付近である。ココで大事なことは、あなたは妊娠何週の時に、この検査をしているのか、一度確かめるといい。そして、陽性なら、いつ治療するのか、聞くのもよい

GBSは、妊娠中、出たり消えたりするので、初期中期に検査して陰性だからといって、分娩時に膣内にいないとは言えないのである。
つまり、分娩時にいるかいないかは、研究で、妊娠35-36週付近の検査での有無が相関性が高く、信頼できるのである

そして、外来検査でGBSがいるからといって、外来で抗生物質を処方する事は間違っている。なぜなら、1週間後に内服薬で消失しても、2週間後には復活してる可能性があるからである。常在菌とはそういうものだ。

あなたの産婦人科医が、35-36週で、GBSの検査をして、陽性でも、そこで
治療はせず、陣痛や破水で入院した時に、初めて、点滴で治療をする方針であれば、EBMを実践している最新知識の優れた産科医であると言っていいかもしれない